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ハラスメント防止学生団体 EquAll

EquAllは、大学においてハラスメントを無くし、大学教職員・大学生が健康的で民主的に研究・就労できる

環境の実現に向けて活動している、東北大学の学生で構成された団体です。

2022.7.9
「よりよい大学生活を送るための学生によるワークショップ~ハラスメントが起きたら学生に何ができるか~」 開催

 

1.開催目的・概要

7月9日(土)に東北大学構内にて「よりよい大学生活を送るための学生によるワークショップ~ハラスメントが起きたら学生に何ができるか~」を行いました。企画の目的は、このワークショップは東北大生をはじめとする大学生・大学院生を対象としており、大学のハラスメント問題について考えるきっかけづくりです。企画では、EquAllが昨年から今年にかけて実施した東北大学工学研究科院生対象のハラスメント実態調査アンケ―トの結果報告や、元東北大学特任助教の方の講演があった上で、参加者同士でディスカッションを行いました。

 

2.状況・参加者からの反応

◆参加者数

・現地:6名

・オンライン:4名

 

◆当日の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆企画の状況

元東北大学特任助教の方からのお話では、自身がハラスメント被害を受けた時の心境や、どうして大学に対して申し立てをして闘おうと思ったのかお話いただきました。また、学生がこういった問題に関心をもって取り組むことの意義について話していただきました。その後のディスカッションでは、①日頃の悩みや不安・違和感・問題意識、②企画の感想・意見、③『大学のハラスメント問題は体質的・構造的問題であり、学生の悩みも学生の無権利状態という中で共通した悩みとしてある』という見解に対する受け止め、④社会や当事者から見た学生の価値や学生同士の団結の必要性について、意見交換しました。参加者からは当事者の方のお話を受けて、「人権とか人の生存権が守られていない」「せっかくしたいと思って大学に入ってできないのは凄く苦しかったと思う」といった当事者を心配する声や、転じて東北大学で起こっているハラスメントの多さを悲惨に思う声が挙がりました。『大学のハラスメント問題は体質的・構造的問題である』という見解についてはおおよそ同意され、「労働者には、労働組合があってハラスメントに対して闘えるけど、学生に対するものはない」「組織の言ったことにおかしいって思っても言えない状況」等の意見が挙がりました。『学生の価値や学生同士の団結の必要性』については、「団結して声をあげることは(当事者にとって)安心することにも繋がる」「弱い人の立場に立って、自分ができることを考えることが大事」といったように、当事者の立場に立った見解が述べられていました。

 

 

◆参加者からの感想

企画後アンケ―トに回答いただいた方の声を掲載いたします。

企画の中で印象に残った点として、最も多かったのが「ハラスメント当事者からのメッセージ」、次いで「東北大学における度重なるハラスメント問題について」、「ディスカッション」でした。

◎「ハラスメント当事者からのメッセージ」が印象に残った理由

・理不尽な扱いを受けた事を聞いて心が傷んだから

・断じて許してはいけないから

・人権侵害や生存権が守られていないから

・当事者の言葉一つ一つから苦しみや辛さを感じたから

・生々しくリアルだったから                etc.

 

◎「東北大学における度重なるハラスメント問題について」が印象に残った理由

・大学の諸機関の機能不全性の実態に驚いたから

・大学の対応に全く誠意を感じられなかったから              etc.

 

◎「ディスカッション」が印象に残った理由

・ハラスメントに対する行動の仕方について考えを深めることができたから

・他の人の意見も聞けたから                                                                  etc.

 

◎企画全体を通じての感想

・ハラスメントには関係ないという姿勢ではなくて自分も当事者になるかもしれないと意識しないといけない

・被害者個人ではどうにも出来ないことでも学生の真っ直ぐな想いが問題解決の原動力になると思った

・団結していくことが非常に重要だと感じた

・大学の問題が社会の目に触れることになればこれまで密室だった場所に目が向けられる事で問題が起きづらい環境を作れると思った         etc.

 

《アンケ―トにご協力いただきありがとうございました。》

 

3.企画の総評

今回のワークショップでは10名の東北大学生と、数名の取材の方に参加していただきました。来場していただいた理由として、ハラスメントへの問題意識を持っている方、または自身の関心のある分野であるからと言う理由が多くありました。ハラスメントについての世論が学内においても少しずつ広まりつつあることが感じられます。同時に同じ学生同士で問題について話し合う機会を求めていることも感じます。

企画では全体として、東北大学のハラスメントが起こる構造、大学の対応の不誠実さについての意見があがっており、特に当事者の意見を聞いて衝撃を受けたという人が多い印象を受けます。そして、今回の企画をきっかけに参加された学生は問題についての理解が深まったと同時に、自らも主体的に発信することや取り組みに動いていく声も多くあがっています。この点からしても、今回の企画の目的は一定達成していると言えます。

一方で、参加者が学生全体に比較してまだ少なく、より広く学生に呼びかけ、世論を波及させていくことが今後の課題です。

 

4.今後の取り組み

EquAllでは東北大学内においてハラスメントをなくし、大学の研究・就労環境の改善を求めて活動をしています。大学の環境改善を行っていくためにも、特に学内の学生を中心として世論を作り、民主的な大学環境の実現に向けて立ち上がっていくことが重要であると考えています。そこで今後は、サークルや部活動を回る啓蒙活動を通じて、学内の世論づくりを行っていきます。また、学内の学生の中では元々社会問題に関心のある学生や大学の在り方に関心のある学生など、問題意識をもった学生は存在しますが、そうした学生の関心、問題意識を結集する組織は学内にありません。そこで、そのような学生や、啓蒙活動を通じて結びついた学生を集めた運動体を作り、相互の情報交換、幅広い啓蒙活動、学生の意見をまとめた要望書の大学への提出などの取り組みを行い、学生の立ち上がりを生かした活動を展開していきます。

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